今回は第4話で説明した実数
を拡張して、平面や立体が扱えるようにします。

1初等幾何学
まずは円や三角形などを扱うために、図形の公理について説明します。
図形に関する公理は「ヒルベルトの公理」と呼ばれるものが有名です。 長いですが、思い切ってすべてを網羅してしまうと図1-1の通りになります。 全部読む必要はありません。
I. 発生または接続の公理
- 任意の異なる2点に対し、それらを含む直線が存在する。
- 任意の異なる2点に対し、それらを含む直線は複数存在しない。
- 1つの直線は異なる2点以上を含む。 1直線上に無いような3点以上が存在する。
- 1直線上に無い任意の3点に対し、それらを含む平面が存在する。 1つの平面は1点以上を含む。
- 1直線上に無い任意の異なる3点に対し、それらを含む平面は複数存在しない。
- ある直線上の異なる2点がある平面上にあるならば、その直線上のすべての点はその平面上にある。
- 2平面がある点を共に含んでいるならば、その2平面はその点の他に1つ以上の点を共に含んでいる。
- 1平面上に無いような4点以上が存在する。
II. 順序の公理
- 点
が点
と点
の間にあるならば、
は
と
の間にあり、これらは1直線上の異なる3点である。
- 点
と点
が異なるとき、「
と
の間に
がある」と言える直線
上の点
が存在する。
- 1直線上にある任意の異なる3点に対し、「他の2点の間にある」と言える点は複数存在しない。
- 点
が1直線上に無く、それらのいずれの点も含まない直線が平面
上にあるとき、もしその直線が線分
上のある点を含むならば、線分
もしくは線分
上のある点を含む。
III. 合同の公理
- 直線
上に点
があり、直線
上に点
があり、
によって分断された
の片側が指定されているとき、「線分
と線分
は合同である」と言える点
が存在する。 任意の線分はそれ自身に合同である。
- 線分
が線分
および線分
と合同ならば、
と
は合同である。
- 線分
が1直線上にあって、点
以外に共通の点を持たず、線分
が1直線上にあって、点
以外に共通の点を持たないとき、
と
が合同かつ
と
が合同ならば、
と
も合同である。
- 角
が平面
上にあり、直線
が平面
上にあり、
によって分断された
の片側が指定され、
上の点から
に沿った半直線
が出ているとき、「
もしくは
が
と合同である」と言える半直線
が、
の指定された側にただ1つ存在する。 任意の角はそれ自身に合同である。
- 1直線上に無い点
と、1直線上に無い点
に対し、線分
と線分
が合同で、線分
と線分
が合同で、角
と角
が合同であるとき、角
と角
は合同である。
IV. 平行線の公理
- 任意の直線
と、
が含まない任意の点
があるとき、
と
を含む平面上に、
を含んで
と共通の点を含まない直線は複数存在しない。
V. 連続性の公理
- 任意の線分
に対し、どのような自然数
が指定されても、点
から出て点
を含む半直線上に、
と合同な
個の線分を並べて作ることができる。
- 順序や合同の関係を維持したまま、直線に新たな点を含めて拡張することはできない。
定義
- 異なる2点
の組を線分といい、
と表す。
- 2点
を通る直線上に点
があり、
が
と
の間にあるとき、
は線分
の上にあるという。
- 平面
上に直線
と、
上に無い2点
があるとき、
と
が等しいか線分
と
とが共通の点を持たないならば、
上で
と
は
に対して同じ側にあるという。
- 直線
上に点
と、
と異なる2点
があるとき、
と
が等しいか
が線分
に含まれないならば、
上で
と
は
に対して同じ側にあるという。
- 直線
上に異なる2点
があるとき、
上で
に対して
と同じ側にある点全体を、
から出て
を含む半直線という。
- 同じ点
から出る2つの半直線
の組を角といい、
上の任意の点
と、
上の任意の点
を用いて、
と表す。
抽象的で解りにくいと思いますが、試しにこれらを使って図1-2の問題を証明してみましょう。

証明は図1-3のようになります。
- 点
が1直線上にあると三角形にならないので、点
は1直線上に無いとする。
とおくと、ヒルベルトの公理III-5(下記)より、線分
と線分
が合同で、線分
と線分
が合同で、角
と角
が合同であるので、角
と角
は合同である。 従って、角
と角
は合同である。(証明終)
ヒルベルトの公理III-5(再掲):
1直線上に無い点と、1直線上に無い点
に対し、線分
と線分
が合同で、線分
と線分
が合同で、角
と角
が合同であるとき、角
と角
は合同である。
このようにヒルベルトの公理から図形の様々な性質を証明できますが、すべてをここから導き出すのは大変です。 そこで以前にも説明した通り、その気になれば証明可能とした上で、本講座では既に証明された定理を紹介することにします。
2初等幾何学の主な定理
2.1コンパスと定規による作図
コンパスと目盛りのない定規を使って、直線や円を書いて作図することは、ヒルベルトの公理の一部に則っています。 つまり、コンパスと定規で作図することは、ヒルベルトの公理の一部から出発して定理を導出していく行為と等しくなります。
補足
ヒルベルトの公理には、3次元の立体を扱うものも含まれていますが、コンパスと定規の作図ではそこは網羅できません。
以下に、コンパスと定規を使って導出できる定理をいくつか紹介します。
2.2対頂角
2つの直線が交わっているとき、向かい合っている角を「対頂角」といいます(図2-1)。

対頂角は常に等しいです。 証明は簡単で、図2-2のように考えれば分かります。

「2直角」とは、直角2つぶん(つまり


)という意味です。




2.3同位角と錯角
2つの直線

に1つの直線が交わっているとき、図2-3のように、
と
の同じ側にできる角同士を「同位角」といい、
と
の反対の内側にできる角同士を「錯角」といいます。








この
と
が平行であるとき、同位角や錯角は等しくなります。 また逆に、同位角や錯角が等しいとき
と
は平行になります。








補足
2本の平行線における同位角が等しいことの証明は、付録に掲載しています。
2.4三角形の内角と外角
三角形の内部にある3つの角を「内角」といい、いずれかの線分を延長してできる外部の角を「外角」といいます(図2-4)。

このとき、3つの内角の和は、2直角に等しいです。
また、外角はそれに隣り合わない2つの内角の和に等しいです。 例えば上図のように、
にできる外角は、
の内角と
の内角を足したものに等しいです。



これらの証明は簡単で、例えば上図の点
を通り、線分
に平行な直線を引くと、同位角と錯角の関係から証明できます(図2-5)。




2.5円
「円」はヒルベルトの公理では直接定義されていませんが、図2-6のように定義することができます。
平面上に異なる2点
があるとき、「点
から出て線分
と合同」となるような
上のすべての線分
に対し、点
をすべて集めたものを円という。
つまり、コンパスを
の幅に開いて、
を中心にぐるっと描いた図形を円と定義するイメージです。



このとき、点
を円の「中心」といい、線分
の長さを円の「半径」といいます。 この定義では、円の中身は円に含まれないため、この円のことを「円周」と呼ぶこともあります。



また、図2-7のように、円周上の異なる2点によって切り取られた円の一部を「弧」といいます。

そして弧の両端の点と、弧の上に無い円周上の点とが作る角を「円周角」といい、弧の両端の点と、円の中心とが作る角を「中心角」といいます。
このとき、同じ弧に対する円周角はどれも等しく、また中心角は円周角の
倍に等しくなります(図2-8)。


中心角が円周角の
倍に等しくなることの証明は、線分の重なり方によって場合分けが必要ですが、例えば線分が重ならない場合には図2-9のように証明できます。


図のように「円周角の点」と「中心」を結ぶ直線を引くと、円周角は
と
に分割されます。 またこのときにできる2つの三角形はそれぞれ、2つの辺の長さが半径と等しいため二等辺三角形です。 ここで三角形の外角が他の2つの内角の和で求まることを利用すると、図の



が導出でき、よって中心角は



となります。












円周角が

で、中心角が



なため、中心角は円周角の
倍に等しいことが証明できました。









そして同じ弧に対する円周角は、どれも同じ中心角を共有していますので、同じ弧に対する円周角はすべて等しいことも分かります。
2.6三角形の合同条件と相似条件
さて、ヒルベルトの公理の中に「合同」という言葉が出てきています。 「2つの図形が合同」であるとは、直感的には、「2つの図形を移動・回転・反転させると形がぴったり重なること」です。 ヒルベルトの公理では線分と角の合同について定義されています。
これを拡張し、三角形の合同を定義しましょう。 つまり、2つの三角形を移動・回転・反転させると形がぴったり重なるとき、これらの三角形は合同であると考えます。 より厳密には、2つの三角形において、対応する辺の長さと角の大きさがそれぞれ等しいとき、これらの三角形は合同であるといいます(図2-10)。

実際には、対応する辺の長さと角の大きさをすべて確認しなくても、図2-11のように一部を確認するだけで2つの三角形が合同かどうかが分かります。
2つの三角形が以下のいずれかを満たすとき、これらは合同である。
- 「3辺が等しい。」 つまり
と
、
と
、
と
が合同である。
- 「2辺とその間の角が等しい。」 つまり
と
、
と
、
と
が合同である。
- 「1辺とその両端の角が等しい。」 つまり
と
、
と
、
と
が合同である。
証明は省略しますが、ヒルベルトの公理III-5と背理法などで証明できます。
また、2つの三角形において、対応する辺の長さの比と角の大きさがそれぞれ等しいとき、これらの三角形は「相似」であるといいます。 「合同」がぴったり重なることだとすると、「相似」は拡大縮小するとぴったり重なることだといえます(図2-12)。

相似も同様に、対応する辺の長さの比と角の大きさをすべて確認しなくても、2つの三角形が相似かどうかが分かります(図2-13)。
2つの三角形、
が以下のいずれかを満たすとき、これらは相似である。
- 「3辺の比が等しい。」 つまり
である。
- 「2辺の比が等しく、その間の角が等しい。」 つまり
、かつ
と
が合同である。
- 「2つの角が等しい。」 つまり
と
、
と
が合同である。
2.7図形の面積
図形の「面積」はヒルベルトの公理では直接定義されていませんが、三角形の面積を図2-14のようにおなじみの計算式で定義することで、あらゆる図形の面積を相対的に考えることができます。
三角形において、点
を通る直線が
上の点
で直角に交わるとき、線分
の長さを「高さ」と呼び、線分
の長さを「底辺」と呼ぶ。 このとき、三角形の面積を「底辺
高さ
」と定義する。
例えば多角形の面積は、三角形に分割してそれぞれの面積を足し合わせることで求まります。 例えば長方形は、対角線を引いて三角形に分割することで、長方形の面積が「縦
横」だと導出することができます。

2.8ピタゴラスの定理
そのほか、図形に関する重要な定理として、「ピタゴラスの定理」があります。 これは、直角三角形の斜辺の長さを
、それ以外の2辺の長さを

としたとき、「






」が成り立つというものです(図2-15)。













ピタゴラスの定理は、様々な定理を証明するのに頻繁に使われたり、また直立している木や建物の高さを測るために使われたりと幅広く応用されます。
証明は、4つの直角三角形を図2-16のように組み合わせて大きな正方形を作り、その大きな正方形の面積が、各部分の面積の和に等しいという方程式を作ることで導出できます。

3非ユークリッド幾何学
ここまでは、無限に広がる平面の上に三角形や円を描いたりするような、わたしたちに馴染み深い幾何学を考えてきましたが、数学的にはそれ以外の幾何学を考えることもできます。 例えば、球や曲面の表面に図形を描いた場合の幾何学です。
ヒルベルトの公理IV-1(図3-1)は「平行線の公理」と呼ばれますが、この公理を削除するとわたしたちに馴染み深い図形の体系とは異なる体系が生まれます。
ヒルベルトの公理IV-1(再掲):
任意の直線と、
が含まない任意の点
があるとき、
と
を含む平面上に、
を含んで
と共通の点を含まない直線は複数存在しない。
わたしたちに馴染み深い体系では三角形の内角の和は2直角と等しいですが、平行線の公理を削除した体系では2直角よりも小さくなることがあります。
平行線の公理を認めたわたしたちに馴染み深い体系は「ユークリッド幾何学」と呼ばれ、平行線の公理を削除した体系は「非ユークリッド幾何学」と呼ばれます。
また、平行線の公理以外の公理をいくつか削除することで、三角形の内角の和が2直角よりも大きくなる体系を作ることもできます。 この体系も、非ユークリッド幾何学に含められます。
4直積
さてそれでは、さらにいろいろな図形を扱うために、第4話で解説した実数
を拡張して、平面や立体を扱うことを考えてみましょう。 まずは平面からです。

実数全体の集合
を、
から
まで続く数直線だとイメージすると、
の2つの元のペアを集めた集合は、無限に広がる2次元平面のイメージになります(図4-1)。







このように、2つの集合

の元の組み合わせでできるペアをすべて集めた集合を、
と
の「直積」といい「

」と表します。 掛け算の記号と同じですが、意味は同じではありません。 上の図では、
の2つの元のペアを集めた集合なので、
と
の直積で「

」になります。 また、

のことはしばしば「
」と表されます。



















同様に、この「

」と「
」の元のペアを集めた集合「



」は、無限に広がる3次元立体のイメージになります(図4-2)。










「



」のことはしばしば「
」と表されます。







同様に、4次元の「
」、5次元の「
」、…、とどこまでも考えることができます。 これらを一般化して「
」と表します。






また、これらの集合










の元のことを「点」といいます。 
の点は実数が
個で構成されますが、点を構成するそれらの実数「





」の組を「座標」といい、お馴染みの「







」で表します。 例えば、「






」は
の点の座標の一つです。









































5距離
5.1ユークリッド距離とマンハッタン距離
さて、このような
の中で長さを扱うために、点と点の「距離」を定めます。


わたしたちは日常的に図5-1の左側のようなものを「距離」と呼んでいますが、図の右側のように、縦か横にしか移動できないものが2点間を最短で進むときの長さも、数学では「距離」として扱えます。

この図の左側のような、わたしたちが日常的に使っている距離は「ユークリッド距離」といいます。 
のある2点

















に対して、
と
のユークリッド距離を「




」とすると、




は「






」で計算できます。 例えば、点





、点





のとき、
と
のユークリッド距離は「












」です。











































































































ちなみに一次元の
のユークリッド距離の場合は、点




、点




に対し、「














」となります。 例えば
と
のユークリッド距離は、「













」となり、
と
が
だけ離れていることが分かります。



















































また、図の右側のような距離は「マンハッタン距離」といい、点







、点







に対し、「




















」で計算できます。








































5.2距離の定義
さて、ユークリッド距離もマンハッタン距離も数学では「距離」として扱えますが、他にどのようなものが距離として扱えるかといいますと、図5-2の条件を満たすものはすべて数学で「距離」といいます。
集合の
つの元を実数
に対応付ける写像「
」が以下を満たすとき、
を距離という。
の任意の元
に対し、
。
となるのは
のとき、またそのときに限る。
。
。
つまり、ユークリッド距離やマンハッタン距離はこの「距離の定義」を満たしているため、数学で「距離」として扱えるわけです。
5.3距離空間
このように数学では様々な距離を考えることができるため、
などの集合に対して、どのような距離を使うのかが重要になってきます。


そこで、集合と距離とをセットにし、「(集合,距離)」と表されるようになりました。 これを「距離空間」といいます。 「空間」とは、集合と何かしらのルール(距離など)をセットにしたものです。
例えば、ユークリッド距離を「
」とすると、


























はそれぞれ距離空間です。 特にこれらの距離空間には名前が付けられており、それぞれ「1次元ユークリッド空間」、「2次元ユークリッド空間」、「3次元ユークリッド空間」、…、「n次元ユークリッド空間」と呼ばれます。





























ユークリッド距離はよく使われるため、単に
の集合が示されて距離が示されていないときには、暗黙的にn次元ユークリッド空間だとされることが多いです。


6解析幾何学
それでは、この「n次元ユークリッド空間




」の中で図形を扱うことを考えます。






先ほど
の元を「点」と言うと説明しましたが、この「点」をそのままヒルベルトの公理における点とみなし、直線や平面などを「点の集合」だと考えることで、ヒルベルトの公理を満たすような体系が
に構築できます。 つまり、
に定義されていた「座標」や「ユークリッド距離」といった概念がヒルベルトの公理の図形に対して適用できます。






例えば、ある図形が平面
の点で構成されていた場合、それらの点はそれぞれ



の座標を持ち、
の値によって
の値が決まりますので、その図形は




という方程式によって表せることになります。 例えば、




という方程式は、
上の一つの直線になります。


























2点















を通る直線の方程式は、「

























」と表せます。 また、中心






、半径
の円の方程式は、「
















」と表せます。







































































図形を方程式で扱えるようになったことで、例えば「直線と円が2点

で交わっているときの線分
の長さ」のような、ヒルベルトの公理からは導けないものが計算できるようになります。





7いろいろな図形
図形が方程式で扱えるようになったということは、逆に方程式で表されるものを新たな図形として考えることもできます。 ここでは様々な「関数」の方程式が作り出す図形について紹介します。
「関数」とは基本的には写像と同じもので、2つの集合の元を対応付けるものです。 ただし、1つの元に対応付けられる元が複数あるもの(「多価関数」と呼ばれ、厳密には関数と区別されます)も関数の一種として扱われることがあります。
7.1指数関数
















例えば、指数関数が作り出す図形として「


」という方程式を考えると図7-1のようになります。























7.2対数関数







































このとき、

である実数
に対し、「








」と定義される関数
を、「対数関数」といいます。 また、このときの
を対数関数の「底」といいます。
















例えば、対数関数が作り出す図形として「





」という方程式を考えると図7-2のようになります。








対数関数はこのように、指数関数の図形を回転させた形になっています。
7.3三角関数
このほか図形に関する重要な概念として「三角関数」があります。
さて、「三角関数」とは、図7-3のように定義される3つの関数「

」「

」「

」のことを指します。










図の左側のように、半径1の円周上の点と、円の中心とを結ぶ線分の角度を
とすると、点の座標



は「









」と定義されます。

















また図の右側のように、円の中心から発して点を通る線分を


まで伸ばしたときの
座標は、「


」と定義されます。 ただし



の場合など、いくら線分を伸ばしても


に交わらないときは


の値は定義されません。 ちなみに「












」の関係が成り立ちます。




































ところで、角の大きさは、1周を「


」とする「度数法」に馴染みがありますが、数学では1周を「



」とする「弧度法」がよく使われます。 「1周を

」と考えることの数学的な意義はありませんが、直径
の円の円周の長さは
なので、「1周を
」とすると、直径
の円における中心角と弧の長さが一致して扱いやすくなります。


















「

」という単位は、しばしば表記からは省略されます。 例えば「



」のことは単に「
」と書かれます(図7-4)。











「





」ですから、「




」「





」「





」「





」「





」などとなります。









































さて、


や


が具体的にどのような数になるかといいますと、ほとんどは複雑な数ですが、いくつかの値は分数や平方根で表すことができます。 例えば先ほどの

、

の定義や、ピタゴラスの定理を駆使することで、表7-1の値が導けます。














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これらの

、

の値は頻繁に使いますので、多くの人は暗記しています。






最後に、三角関数が作り出す図形「




」「




」「




」という方程式を考えると図7-5のようになります。



















角度は
で1周するため、
に対して
ごとに同じ形が繰り返されます。





今回は、ヒルベルトの公理から導かれる図形の性質や、それを
次元ユークリッド空間で扱う方法、そして距離空間について説明しました。 次回は、「







」について解説します!









