2024年12月22日くいなちゃん


くいなちゃん数学」発展編、今回は、並べ方のパターンを数える「順列」と「組合せ」について解説します! 基本編を全部読み終えていることを想定しています。

1順列

1.1順列の例題



個の異なるものから、個を抜き出して並べるパターンの数を、「順列じゅんれつ」といい「」と表します。
例題を見てみましょう(図1-1)。

」から「」が書かれた枚のカードから、枚を引いて並べて桁の数を作るとする。 作れる数は何通りか。

図1-1: 順列の例題
図1-2のイメージです。
順列の例題2
図1-2: 順列の例題2
何パターンあるのか、解いてみましょう。
桁の数に使ったカードを、左から順に1枚目、2枚目、3枚目としたとき、まず1枚目になる候補は通りあります。 次に2枚目になる候補は、1枚減っているので通りです。 そして3枚目になる候補は、さらに1枚減っているので通りです。 よってパターンの数は、「通り」が答えです。

1.2順列の公式



一般に、個の異なるものから個を抜き出して並べるパターンの数は、「」で求まります。
また「」は、「」から「」を除いたものなので、階乗「」を使うと「」と表せます。
ちなみに、個の異なるものを全部並べ替えるパターンの数は、「個のものから個を抜き出して並べるパターン」とも考えられるため、「」で求まります。

2組合せ

2.1組合せの例題



個の異なるものから、個を抜き出す組み合わせのパターンの数を、「組合くみあわ」といい「」と表します。
例題を見てみましょう(図2-1)。

」から「」が書かれた枚のカードから、同時に枚を引くときの組み合わせは何通りか。

図2-1: 組合せの例題
順列のときとは違い、「」と「」を区別しません。 解いてみましょう。
まず枚のカードから枚を引く順列を求めます。 通りです。
しかしこの通りの中には、順番が違うだけの重複があります。 例えば「」「」「」「」「」「」です。 これは、引いた枚には、その枚を並べ替えるパターンである「」通りが余分に数えられているため、本来よりも倍多く数えられていることになります。
そこで、通りをで割って、「通り」が答えです。

2.2組合せの公式



一般に、個の異なるものから個を抜き出す組み合わせのパターンの数は、「」で求まります。
また、枚のカードから枚を選ぶことは、選ばれずに残った枚のカード側に着目すると、枚のカードから枚を選んだことと同じになります。 つまりが成り立ちます。 一般に、が成り立ちます。
は、図2-2のように、括弧内に縦に並べる記法で書かれることもありますが、意味はと同じです。
組合せの別表記
図2-2: 組合せの別表記

3重複順列

3.1重複順列の例題



個の異なるものから、何度も同じものが選べるときに個を選んで並べるパターンの数を、「重複順列ちょうふくじゅんれつ」といいます。
例題を見てみましょう(図3-1)。

」から「」が書かれた種類のカードがそれぞれたくさんある。 ここから枚を選んで並べて桁の数を作るとする。 作れる数は何通りか。

図3-1: 重複順列の例題
解き方は、同じ数字のカードを何回も選べるため、毎回通りの選び方があることから、「」が答えです。

3.2重複順列の公式



一般に、個の異なるものから重複を許して、個選んで並べるパターンの数は、「」で求まります。

4重複組合せ

4.1重複組合せの例題



個の異なるものから、何度も同じものが選べるときに個を選ぶ組み合わせのパターンの数を、「重複組合ちょうふくくみあわ」といいます。
例題を見てみましょう(図4-1)。

」から「」が書かれた種類のカードがそれぞれたくさんある。 ここから同時に枚を選ぶとき、カードに書かれた数の組み合わせは何通りか。

図4-1: 重複組合せの例題
種類は複雑なので、まずは種類のカードで考えてみましょう。
」「」の種類のカードを重複を許して枚選ぶ組み合わせ方とは、見方を変えると、枚のどこで仕切るかという考え方に置き換えられます(図4-2)。
2種類の場合
図4-2: 2種類の場合
枚選んだカードのうち、仕切りより左側を「」とし、右側を「」としています。
そしてこれは、「か所のうち、仕切りをどこに置くか」という問題に置き換えられるため、か所からか所を選ぶ、通りと求められます。
同様に、カードが「」から「」までの種類の場合にも、仕切りの考え方に直せます(図4-3)。
4種類の場合
図4-3: 4種類の場合
これも同様に、か所から仕切りをおくか所を選ぶ組み合わせとなるため、通りと求められます。
例題に戻ると、種類のカードの場合には仕切りが個となるため、カード枚と仕切りを合わせたか所からか所を選ぶ組み合わせとなります。 よって、「通り」が答えです。

4.2重複組合せの公式



一般に、個の異なるものから重複を許して、個選ぶ組み合わせのパターンの数は、仕切りの数が個となるため、「」で求まります。
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