2024年11月22日くいなちゃん


と四則演算と累乗を使って、円周率を作ってみましょう。

問題

と四則演算と累乗を組み合わせて、円周率を作りなさい。 ただし、まで一致していれば良いものとする。

今回は、この問題に挑戦してみましょう。

1ライプニッツの公式

さて、図1-1のように計算し続けていくと、限りなくの値に近づいていきますが、まで一致する頃にはとても長い計算式になってしまいます。
ライプニッツの公式
図1-1: ライプニッツの公式
そこで今回はせっかくですので、の個数がなるべく少なくなる答えを求めてみましょう。

22進数

まず安直に浮かぶのは、2進数で表す方法です。 目標はという有限精度の小数なので、これを2進数の小数に変換して、の和で表せば、一つの答えになるはずです。
に一致する最短桁数の2進数を計算すると「11.00100100001111110110101」になりましたので、これをの和に変換すると、図2-1のようになります。
2進数変換
図2-1: 2進数変換
これでもまだ累乗の部分に以外の数が使われていますので、これらもで表そうとすると相当な長さになりそうです。 諦めて別の方法を探しましょう。

3カステヤノスさんの公式

円周率の近似値を求める公式が既にいくつも発見されていますので、それをアレンジすることを考えてみます。
に一致するシンプルな数式として、ダリオ・カステヤノスさんという方が発見した公式を変形して使ってみます(図3-1)。
カステヤノスの公式
図3-1: カステヤノスの公式
この式により、円周率は合計35個のによって表すことができました。 元がシンプルな式でも、だけで表すと意外と複雑になることが解ります。

4ラマヌジャンの公式

さて、インドの魔術師と呼ばれた数学者、ラマヌジャンの公式を用いれば、さらに少ない個数ので円周率が表せることに気付きました(図4-1)。
ラマヌジャンの公式
図4-1: ラマヌジャンの公式
の個数は、たったの23個となっています。

5くいなちゃんの公式

さらに少ない個数ので、円周率を表せないでしょうか。 他の公式を使っても、これ以上はなかなかシンプルに表せませんでした。
そこで、自力で生み出すことを考えました。 わたしが気合いで試行錯誤した結果、図5-1のような式を生み出すことができました。
くいなちゃんの公式
図5-1: くいなちゃんの公式
くいなちゃんの公式」とでも名付けましょう。 これにより、合計20個で円周率を表すことができました。
ひょっとしたら更に少ないで、円周率を表すことも可能かもしれません。 みなさんも是非、挑戦してみてください!

6πで2を作る

最後に、逆に「を作ることはできないか」と思い至ったのですが、考えるまでもありませんでした(図6-1)。
πで2を作る
図6-1: πで2を作る
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