Kuinの型は、値そのものをやりとりする「値型」と、実行中にメモリ領域を確保してその参照をやりとりする「参照型」とに二分されます。
Kuinにおける値型と参照型は表1-1の通りです。
「リテラル」とは、ソースコード中で値を書いたもののことです。
「デフォルト値」とは、変数を定義して何も代入していないときに格納されている値のことです。
それぞれの型について、以下で詳しく説明します。
「int」は整数を扱うための型で、仕様は図2-1の通りです。
intのリテラルは、図2-2の通りです。
「float」は小数を扱うための浮動小数点型で、仕様は図3-1の通りです。
floatのリテラルは、図3-2の通りです。
指数表記とは、「仮数部e+指数部」と書くと「仮数部×10指数部」と見なされる表記方法のことです。 例えば、「1.0e+5」は「10000.0」と同じ値になります。
「char」は文字を扱うための型で、仕様は図4-1の通りです。
charのリテラルは、図4-2の通りです。
「\」と任意の1文字との組み合わせである「エスケープシーケンス」は、全部で表4-1の通りです。
表4-1: Kuinのエスケープシーケンス
記号 |
意味 |
\\ |
「\」の記号 |
\" |
「"」の記号 |
\' |
「'」の記号 |
\0 |
文字コード0の文字 |
\n |
改行文字 |
\t |
タブ文字 |
\u???? |
指定した文字コードの文字。 「????」には数字または大文字アルファベットで4桁の16進数を指定 |
\{式} |
式の結果を文字列化したもの。 []charリテラル内でのみ使える。 例えば、int型変数nに3が格納されているとき、「"\{n+5}"」と記述すると「"8"」と解釈される。 「(式).toStr()」と等しい |
「bool」は真偽を扱うための論理型で、仕様は図5-1の通りです。
boolのリテラルは、図5-2の通りです。
「bit8」「bit16」「bit32」「bit64」はビット演算を行うためのビット型で、仕様は図6-1の通りです。
ビット型のリテラルは、図6-2の通りです。
例えば16進数で「AC」の数をbit8型で表現したいときは「0xACb8」とします。
Kuinの配列は、実行時に要素数を決定できる動的配列で、仕様は図7-1の通りです。
配列のリテラルは、図7-2の通りです。
リストとは配列に似ていますが、要素の追加・挿入・削除が高速なデータ構造です。 リストの仕様は図8-1の通りです。
スタックとは、先に入れた要素が後に取り出される積み荷のようなデータ構造です。 スタックの仕様は図9-1の通りです。
キューとは、先に入れた要素が先に取り出される待ち行列のようなデータ構造です。 キューの仕様は図10-1の通りです。
辞書とは、キーと値のペアをいくつも格納するようなデータ構造で、キーから値を高速に探索したいときに使います。 辞書の仕様は図11-1の通りです。
Kuinではすべての関数は関数型として扱われます。 関数を関数型の変数に代入して扱うこともできます。 関数型の仕様は図12-1の通りです。
列挙型およびクラスは、ユーザが自由に中身を定義できる型です。
列挙型の詳細は「
列挙型」、クラスの詳細は「
クラス」を参照してください。