2024年10月09日くいなちゃん


トランプのゲーム「ババ抜き」をするとき、カードの配り方を変えるだけで、勝つ確率を相手の2倍以上にできることに気付きました。

1ババ抜きの勝率

トランプのゲーム「ババ抜き」とは、ご存じの通り、時計回りの順にプレイヤーが右隣のプレイヤーの手札を1枚ずつ引いていき、手札に同じ数字(ペア)があれば捨てて、すべての手札が無くなった人から抜けていくゲームです。 1組52枚のトランプに1枚のジョーカーを加えて、計53枚を配って遊びます。 ジョーカーはペアにはならず、最後までジョーカーを持っていた人の負けとなります。
均等な枚数の手札を配って始めるので、勝つ確率は全員同じように思えますが、実は「誰から配り始めるか」によって勝率が大きく変わることに気付きましたので本記事にまとめておきます。 ポイントは、計53枚のカードの53という数は素数なので、53人で遊ばない限り手札の枚数に差ができることを利用します。

1.1戦略



やり方は簡単です。 まず、先にじゃんけん等で順番を決めます。 そして「わたしがカードを配りましょう」と言って、自分の勝率が高くなるようにカードを配るだけです。

1.22人の場合



それでは勝率の計算です。 ババ抜きではジョーカーを手にした人以外が全員勝利になりますので、以下では逆に負ける確率を求めました。
表1-1は、2人で1,000,000回戦って、最後までジョーカーを持っていて負けた割合を数えたものです。
表1-1: 2人の場合の負ける確率
  1人目が負ける確率 2人目が負ける確率
1人目から配る 50.61% 49.39%
2人目から配る 50.73% 49.27%
2人の場合は、どちらから配るかはほぼ関係なく、後手が若干(1%くらい)有利です。 とはいえほぼ互角なので気にせず平等に遊べそうです。

1.33人の場合



表1-2は、3人で1,000,000回戦った場合の負けた割合です。
表1-2: 3人の場合の負ける確率
  1人目が負ける確率 2人目が負ける確率 3人目が負ける確率
1人目から配る 34.28% 34.19% 31.54%
2人目から配る 43.38% 21.36% 35.26%
3人目から配る 22.05% 35.63% 42.32%
3人の場合は、1人目から配るとほぼ平等になりますが、それ以外の人から配ると勝率が偏ります。 あなたの番から始まる場合は3人目から配り、あなたが2番目の場合は2人目から配ると、負ける確率を大きく減らすことができます。

1.44人の場合



表1-3は、4人で1,000,000回戦った場合の負けた割合です。
表1-3: 4人の場合の負ける確率
  1人目が負ける確率 2人目が負ける確率 3人目が負ける確率 4人目が負ける確率
1人目から配る 16.23% 28.58% 38.90% 16.29%
2人目から配る 34.72% 16.29% 34.51% 14.49%
3人目から配る 27.84% 39.04% 17.72% 15.40%
4人目から配る 25.14% 25.70% 24.90% 24.26%
4人の場合は、4人目から配るとほぼ平等になりますが、それ以外だと偏ります。 いずれの場合も4番目はかなり有利なので、可能なら4人で遊ぶ場合は4番目を狙うと良いでしょう。

1.55人の場合



表1-4は、5人で1,000,000回戦った場合の負けた割合です。
表1-4: 5人の場合の負ける確率
  1人目が負ける
確率
2人目が負ける
確率
3人目が負ける
確率
4人目が負ける
確率
5人目が負ける
確率
1人目から
配る
20.78% 21.41% 26.26% 11.44% 20.11%
2人目から
配る
11.01% 21.60% 21.72% 20.72% 24.95%
3人目から
配る
13.31% 13.22% 23.70% 36.06% 13.70%
4人目から
配る
32.91% 12.93% 13.23% 28.87% 12.06%
5人目から
配る
22.85% 35.71% 14.85% 14.01% 12.59%
5人の場合はどこから配っても偏ります。 自分が有利なところになるように仕組めば、相当負けなくなるでしょう。

1.6結論



ババ抜きは勝率が平等に見えるゲームですが、カードを配る役目を自分が買って出るだけで、勝率をかなりコントロールできることが確認できました。
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