くいなちゃん2020年05月27日


数年前に作った「くいなちゃんSNS」についての記録です。

1くいなちゃんSNS

「くいなちゃんSNS」は、わたしが数年前に作ったSNSでした(図1-1)。
くいなちゃんSNS
図1-1: くいなちゃんSNS
個人情報が含まれるため一部にモザイクをかけていますが、このような雰囲気です。
ユーザは、他の全ユーザと共有の「タイムライン」に文章や手描きのイラストを投稿することができ、互いに会話することができます。 また、いくつも「部屋」があり、ユーザは自分の話したい話題の部屋に入って会話します。 部屋によっては、勉強会を開催したり、みんなが参加できるゲームを遊んだりできました。
完全招待制だったため、そこまで人数は増えない想定で「少数ならでは」に特化したSNSを目指していましたが、参加者は1,000人を超え、公開直後にサーバがダウンするなどのイベントもありました。

2制作の背景

すでに世の中にはたくさんのSNSやサービスがあふれていますが、それらは人と人との距離が離れすぎていることが気がかりでした。 ただ少人数でのチャットソフトでは緊密すぎるので、SNSのにぎやかさとチャットソフトの近い距離感を併せ持つ、新しいSNSの形を模索したいと思ったことが発端です。
なるべく早く公開したかったため、大体2週間で組み立てました。 FreeBSDというOSを入れたサーバに、PHPという言語で構築しています。 細かく自由にカスタマイズしたいため、SNS制作用のフレームワークなどは使いませんでした。
どちらかというとSNSの制作よりも、いかに過疎にならないように盛り上げるかという運営のほうで苦心しました。 勉強会やゲームを開催したり、会話が途切れすぎないようにマスコットキャラクターのbot(プログラムで動くアカウント)を投入したりと、様々な試みを行いました。

3共同開発の試み

くいなちゃんSNSでわたしは、もう一つ試みたことがありました。 「共同開発」です。
以前からわたしは、対価や圧力ではなく、各々の「作りたい」という欲求だけで進める、理想的な共同開発が実現できないかを模索していて、人が集うこの場で挑戦してみることにしました。
わたしは共同開発に興味を持つ人を集めてチームを作り、メンバーそれぞれに「やりたいこと」や「どんなものを作りたいか」を訊いたり、「どうすれば共同制作が成功すると思うか」を話し合ったりしました。
そこで一番難しく感じたのは、本来は「作りたいから作る」という動機で参加していたメンバーが、話し合って合理的に考え始めると「この作品は何のために作るのか」という議論にすり替わり、目的を見失ってしまうことです。
「何のために作るのか」を打ち立てた上で、なお「作りたい」という衝動で開発を進めることは一人でも難しいため、それを共同で行うには相当工夫する必要を感じました。

4サービスの終了

サービス開始からちょうど1年後、共同開発の試みも一段落ついたため、サービスを終了することにしました。 その後、システムの運用は別の人に引き継がれ、参加者も引っ越して継続したようです。
いろいろと苦労や波乱も多かったですが、このSNSでの経験がわたしに与えた影響は非常に多く、結果的には作ってよかったかなと思います。
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