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Kuina-chan

くいなちゃんNov 18, 2017


6さいからの数学」第7話では、物理学や経済学など幅広い分野で使われる「微分」について説明します!

接線の傾き

第6話では、様々な関数が作る図形をx軸とy軸の平面上で表しました。 今回はそれらの図形における「接線の傾き」を求めます(接線の傾き)。
接線の傾き
接線の傾き
「接線の傾き」とは、図形に接した直線において「yの増分slash,xの増分」を計算したものです。 例えば、上の図ではx1増加したときにy2増加していますので、接線の傾きは「2,slash,1,eq,2」です。 直線の図形をy,eq,a,x,add,bと表すと、aの値が傾きになります。
接線の傾きの身近な例としては、走行距離に対する速度があります。 時間をxとし、車が走った距離をyとしたときの図形を走行距離と速度のように表すと、各xにおける接線の傾きとは、それぞれの時間における速度を意味します。
走行距離と速度
走行距離と速度
このように接線の傾きとは、「走行距離」に対する「速度」だったり、「坂道の高さ」に対する「斜面の勾配」だったり、「バケツに水が溜まった量」に対する「水の流量」だったりする身近な値ですので、接線の傾きが計算できると多くの分野で役に立ちます。 このように、図形の各点における接線の傾きを求めることを、数学では「微分びぶん」といいます。

例題

それではさっそく、接線の傾きを求めてみましょう(例題)。
例題
例題
この問題は、第5話で説明した「極限」を使うことで接線の傾きが求まります。 「x,eq,3のときのy」と「x,eq,3,add,hのときのy」を結んだ直線を考え、hを「h,eq,1,comma,h,eq,0,dot,1,comma,h,eq,0,dot,0,1,comma,dots」のように限りなく0に近づけることで求める方法です(例題の解答)。
例題の解答
例題の解答
図が細かくてややこしいですが、要するにy,eq,x,sup_2の曲線上にある2点を限りなく狭めていくことで、x,eq,3のときの接線の傾きを求めようというものです。 hを限りなく0に近づけることで、2点は限りなくx,eq,3に近づいていきます。
接線の傾きとは「yの増分slash,xの増分」ですので、hを限りなく0に近づけたときの直線の傾きは「lim_h_0,pl,pl,3,add,h,pr,sup_2,sub,3,sup_2,pr,slash,h」となり、計算すると限りなく「6」に近づくことが解ります。 従って、答えは「6」です。

微分

さて、ここまでの流れを任意の関数に一般化します。
y,eq,x,sup_2y,eq,ts,ti,tn,xなどの任意の図形を「y,eq,f,pl,x,pr」と表したとき、各xにおける接線の傾きf,prime,pl,x,prは、「f,prime,pl,x,pr,eq,lim_h_0,pl,f,pl,x,add,h,pr,sub,f,pl,x,pr,pr,slash,h」の極限を計算することで求まります。
そして、すべてのxに対してf,prime,pl,x,prが収束するとき、このf,prime,pl,x,prを「d_y_div_d_x」と書き、「yxで微分する」といいます。 また、このf,prime,pl,x,prを「導関数どうかんすう」といいます。
例えば、先ほどのy,eq,x,sup_2xで微分すると、xの2乗の微分のようになります。
y,eq,x,sup_2のとき、yxで微分すると、

f,prime,pl,x,pr,eq,lim_h_0,pl,pl,x,add,h,pr,sup_2,sub,x,sup_2,pr,slash,h
eq,lim_h_0,pl,x,sup_2,add,2,x,h,add,h,sup_2,sub,x,sup_2,pr,slash,h
eq,lim_h_0,pl,2,x,add,h,pr
eq,2,x

より、すべてのxに対してf,prime,pl,x,prは収束するので、f,prime,pl,x,prは導関数である。
すなわち、d_y_div_d_x,eq,f,prime,pl,x,pr,eq,2,x
xの2乗の微分
試しにx3を代入すると、f,prime,pl,3,pr,eq,2,mul,3,eq,6となって、先ほどの結果と一致することが分かります。
ちなみに、「d_y_div_d_x」は「d_div_d_x,y」とも書けます。 この「d_div_d_x」とは、「sub,5」における「sub」のようなもので、右に来るものをxで微分する意味になります。 例えば、f,pl,x,pr,sup_2xで微分する場合「d_div_d_x,f,pl,x,pr,sup_2」と書けます。 もちろん、xではなくtで微分する場合はd_div_d_tとなります。
また「d_y_div_d_x」は、xの微小な変化量を「d,x」としたときの、yの微小な変化量を「d,y」と考えて、「d_y_div_d_x」という分数のように見なすこともできます。 実際「微分形式びぶんけいしき」という分野では「d,x」と「d,y」を分離してそれぞれ変数のように扱います。
d_y_div_d_x」は、微分する変数が明らかな場合は、簡略化して「y,prime」と書かれたり、物理学では「y_dot」と書かれたりします。

主な関数の微分

それでは主な関数を順番に微分していきましょう。

xのa乗の微分

先ほどy,eq,x,sup_2の微分を求めましたが、任意の実数aに対し、y,eq,x,sup_aの微分を求めることができます。
y,eq,x,sup_aを微分すると、「d_y_div_d_x,eq,lim_h_0,pl,pl,x,add,h,pr,sup_a,sub,x,sup_a,pr,slash,h,eq,a,x,sup_a,sup_sub,sup_1」となります(xのa乗の微分)。
y,eq,x,sup_aのとき、
d_y_div_d_x,eq,a,x,sup_a,sup_sub,sup_1
xのa乗の微分
例えばy,eq,x,sup_2を微分すると「d_y_div_d_x,eq,2,x」となります。
また、1_div_xx,sup_sub,sup_1なので、分数の微分もd_div_d_x,1_div_x,eq,d_div_d_x,x,sup_sub,sup_1,eq,sub,x,sup_sub,sup_2,eq,sub,1_div_x_sup_2のように求まります。
同様に、sqrt_xx,sup_1_div_2なので、平方根の微分もd_div_d_x,sqrt_x,eq,d_div_d_x,x,sup_1_div_2,eq,1_div_2,x,sup_sub,sup_1_div_2,eq,1,slash,pl,2,sqrt_x,prのように求まります。

三角関数の微分

三角関数を微分すると、三角関数の微分の通りです。
三角関数の微分
関数 導関数
y,eq,ts,ti,tn,x d_y_div_d_x,eq,tc,to,ts,x
y,eq,tc,to,ts,x d_y_div_d_x,eq,sub,ts,ti,tn,x
微分すると、ts,ti,tn,xtc,to,ts,xに、tc,to,ts,xsub,ts,ti,tn,xになります。
このあたりの関数は極限を計算するのが大変なため、多くの人は微分した結果を暗記しています。

指数関数と対数関数の微分

指数関数と対数関数を微分すると、指数関数と対数関数の微分の通りです。
指数関数と対数関数の微分
関数 導関数
a,sup_x a,sup_x,tl,to,tg,sub_e,a
tl,to,tg,sub_a,x 1,slash,pl,x,tl,to,tg,sub_e,a,pr
若干複雑ですが、微分すると、a,sup_xa,sup_x,tl,to,tg,sub_e,aに、tl,to,tg,sub_a,x1,slash,pl,x,tl,to,tg,sub_e,a,prになります。 ここで「e」とは、「ネイピアすう」と呼ばれ、e,eq,lim_n_inf,pl,1,add,1_div_n,pr,sup_n,eq,2,dot,7,1,8,2,8,1,8,2,8,4,5,9,dotsと定義される無理数です。
特にa,eq,eのとき、tl,to,tg,sub_e,e,eq,1より、導関数はシンプルな形になります(指数関数と対数関数の微分2)。
指数関数と対数関数の微分2
関数 導関数
e,sup_x e,sup_x
tl,to,tg,sub_e,x 1_div_x
対数関数の底がeのとき、この関数を「自然対数しぜんたいすう」といい、底を省略して書くことが多いです。 つまり、tl,to,tg,sub_e,x,eq,tl,to,tg,xです。

微分の線形性

次は「y,eq,4,x,sup_5,add,2,x,sup_3,add,x」のような、「y,eq,a,sub_1,f,sub_1,pl,x,pr,add,a,sub_2,f,sub_2,pl,x,pr,add,comma,dots,comma,add,a,sub_n,f,sub_n,pl,x,pr」の形になっている関数の微分です。 a,sub_1,comma,a,sub_2,comma,dots,comma,a,sub_nは任意の実数で、f,sub_1,comma,f,sub_2,comma,dots,comma,f,sub_nは任意の関数です。
これを微分すると、微分の線形性となります。
y,eq,a,sub_1,f,sub_1,pl,x,pr,add,a,sub_2,f,sub_2,pl,x,pr,add,comma,dots,comma,add,a,sub_n,f,sub_n,pl,x,prのとき、
d_y_div_d_x,eq,a,sub_1,d_div_d_x,f,sub_1,pl,x,pr,add,a,sub_2,d_div_d_x,f,sub_2,pl,x,pr,add,comma,dots,comma,add,a,sub_n,d_div_d_x,f,sub_n,pl,x,pr
微分の線形性
つまり、定数部分はそのままにして、それぞれのf,sub_1,comma,f,sub_2,comma,dots,comma,f,sub_nを微分すれば良いことになります。
例えばy,eq,4,x,sup_5,add,2,x,sup_3,add,xを微分すると、「x,sup_5」「x,sup_3」「x」の部分だけを微分して、d_y_div_d_x,eq,2,0,x,sup_4,add,6,x,sup_2,add,1となります。

積の微分

次はy,eq,x,sup_2,mul,ts,ti,tn,xのような、y,eq,f,pl,x,pr,mul,g,pl,x,prの形になっている関数の微分です。
これを微分すると、積の微分となります。
y,eq,f,pl,x,pr,mul,g,pl,x,prのとき、
d_y_div_d_x,eq,d_div_d_x,f,pl,x,pr,mul,g,pl,x,pr,add,f,pl,x,pr,mul,d_div_d_x,g,pl,x,pr
積の微分
つまり、g,pl,x,prをそのままにf,pl,x,prを微分したものと、f,pl,x,prをそのままにg,pl,x,prを微分したものの和となります。
例えばy,eq,x,sup_2,mul,ts,ti,tn,xを微分すると、d_y_div_d_x,eq,2,x,mul,ts,ti,tn,x,add,x,sup_2,mul,tc,to,ts,xとなります。

合成関数の微分

次はy,eq,ts,ti,tn,pl,5,x,add,2,prのような、y,eq,f,pl,g,pl,x,pr,prの形になっている関数の微分です。
f,pl,g,pl,x,pr,prはそのままではxで微分できる形になっていないため、f,pl,x,prxで微分したように、f,pl,g,pl,x,pr,prg,pl,x,prで微分することを考えます。
g,pl,x,prを簡略化のためu,eq,g,pl,x,prとおいて表すと、積の微分となります。
y,eq,f,pl,g,pl,x,pr,prのとき、u,eq,g,pl,x,prとおくと、
d_y_div_d_x,eq,d_div_d_u,f,pl,u,pr,mul,d_u_div_d_x
積の微分
つまり、f,pl,g,pl,x,pr,prg,pl,x,prで微分したものと、g,pl,x,prxで微分したものの積となります。
例えばy,eq,ts,ti,tn,pl,5,x,add,2,prを微分すると、u,eq,5,x,add,2とおいて、d_y_div_d_x,eq,d_div_d_u,ts,ti,tn,u,mul,d_div_d_x,pl,5,x,add,2,pr,eq,tc,to,ts,u,mul,5,eq,5,tc,to,ts,pl,5,x,add,2,prとなります。

微分できない例

さて、微分の定義に「すべてのxに対してf,prime,pl,x,prが収束するとき」とありましたが、言い換えると、f,prime,pl,x,prが収束しなければ微分できないことになります。
微分できない例としては、「連続れんぞく」でなかったり、十分なめらかでないものがあります(微分できない例)。
微分できない例
微分できない例
図のように、微分できない点が少なければ、その点を除く区分に分割してからそれぞれの区分を微分する方法も採られます。

高階微分

yxで微分した「d_y_div_d_x」を、さらにxで微分することを、「2階微分かいびぶん」といい「d_sup_2_y_div_d_x_sup_2」と表します。 「d_sup_2_y_div_d_x_sup_2」は、「d_sup_2_div_d_x_sup_2,y」ということです。 例えば、y,eq,x,sup_5のとき、xで微分するとd_y_div_d_x,eq,5,x,sup_4になりますが、さらにxで微分するとd_sup_2_y_div_d_x_sup_2,eq,2,0,x,sup_3になります。
例えば、走行距離を時間で微分すると速度になりましたが、速度を時間で微分すると加速度になります。 つまり、加速度を求めるには走行距離を2階微分することになります。
そして、さらに微分を繰り返して合計n回微分することを、「n階微分かいびぶん」といい、「d_sup_n_y_div_d_x_sup_n」と表します。
微分する変数が明らかな場合、d_sup_2_y_div_d_x_sup_2y,prime,primey_dot_dotと書かれたり、d_sup_n_y_div_d_x_sup_ny,sup_pl,sup_n,sup_prと書かれたりします。

偏微分と全微分

これまでy,eq,f,pl,x,pr2次元平面における微分を解説しましたが、次は3次元の立体における微分を説明します。
立体の場合、図形の式はz,eq,f,pl,x,comma,y,prの関数となりますが、これを微分するには2つの方法があります。 x軸やy軸に沿った「接線の傾き」を求める方法と、曲面に対する「接平面の傾き」を求める方法です(偏微分と全微分)。
偏微分と全微分
偏微分と全微分
立体に対し、x軸やy軸に沿った接線の傾きを求めることを「偏微分へんびぶん」といい、曲面に対する接平面の傾きを求めることを「全微分ぜんびぶん」といいます。 また偏微分を特定の軸にこだわらず、任意の方向に対して行う場合「方向微分ほうこうびぶん」といいます。
また、3次元の立体に限らず、n次元の立体に対して偏微分や全微分は行えます。
物理学では、水の流れも、物体の運動も、宇宙における重力の分布も、全部n次元の立体として表現されますので、これらを扱うときに偏微分や全微分が応用されます。

微分方程式

d_y_div_d_x,add,2,y,add,3,x,eq,0のときのyを求めよ」のように、方程式に導関数が含まれたものを「微分方程式びぶんほうていしき」といいます。
例えば、人口の増加や、放射性元素の崩壊や、熱の伝導について計算しようとすると、式に導関数が現れて微分方程式を解くことになります(微分方程式の例)。
マルサスモデルに従うとすると、人口の増加は、時間をt、個体数をl_p,pl,t,pr、出生率をb、死亡率をdとして、
d_div_d_t,l_p,pl,t,pr,eq,pl,b,sub,d,pr,l_p,pl,t,pr
の微分方程式で表される。

この微分方程式を解くと、l_cを任意の定数、eをネイピア数として、
l_p,pl,t,pr,eq,l_c,e,sup_pl,sup_b,sup_sub,sup_d,sup_pr,sup_t
が得られる。
微分方程式の例
このl_p,pl,t,pr,eq,l_c,e,sup_pl,sup_b,sup_sub,sup_d,sup_pr,sup_tを微分すると、d_div_d_t,l_p,pl,t,pr,eq,pl,b,sub,d,pr,l_c,e,sup_pl,sup_b,sup_sub,sup_d,sup_pr,sup_t,eq,pl,b,sub,d,pr,l_p,pl,t,prとなりますので、元の微分方程式と一致していることが分かります。
多くの微分方程式はそのまま解くことが困難なため、解ける形に変換してから解を求めたり、近似的に求めたりします。
今回は、接線の傾きを求める「微分」について説明しました。 次回は、図形の面積を求める「積分」について解説します!
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